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Vol.34 つるっと、ズズッと。ふねこのうどん巡り 〜小倉編〜
福岡のうどん文化の魅力にすっかりハマったふねこたちは、
うどんの開拓を進めに北九州・小倉へとやってきました!
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小倉駅前に降り立ち、今回は何杯食べ比べできるかな?と作戦会議。
さあ、食いしん坊たちによる小倉のうどん巡りが始まります…!
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ふねこたちが最初にやってきたのは「魚町銀天街」。JR小倉駅から旦過市場までの約400mをつなぐ日本初のアーケード商店街です! そんな小倉が誇る歴史的商店街の中にある、お目当のうどん屋さんとは…?
老若男女、キタキューっ子に愛される『資(すけ)さんうどん』
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「資(すけ)さん」の愛称で地元民から親しまれる、北九州生まれの『資さんうどん』へ訪れたふねこたち。このロゴにピンときた人はキタキュー(北九州)出身、もしくはうどん好きなのではないでしょうか!?
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『資さんうどん』は昭和51年創業の老舗で、北九州をメインに福岡県全域、九州・山口にも店舗を拡げる人気店。ボリューム満点のトッピングと、「資」マークがついた蒲鉾もシンボリックですね♪ メニューも豊富で、その数なんと100種類以上! 毎日来ても飽きないし、あれもこれも食べたくなっちゃいます。
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店内にはおでんコーナーもあり、アツアツのおでんが13品ほど並びます。北九州では屋台や飲食店でおでんが日常的に親しまれている文化があり、『資さんうどん』でも創業初期から販売している看板商品です。
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ふねこがオーダーしたのは、資さんうどん不動の人気No.1メニュー「肉ごぼ天うどん」(720円)。器からはみ出るほど長〜いごぼ天と、甘めに煮込まれた牛肉がたっぷりのっています。うどんの出汁にじんわり肉の旨味が染み渡り、これがまた食欲をそそるのです!
お肉のシズル感に思わずゴクリ…。『資さんうどん』の麺は、コシがあってモチモチとした食感が特徴です。
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特製の出汁の旨味と風味がしっかり染み込んだおでんは、ホッとする味わい。単品での注文はもちろん、人気の具を盛り合わせた3本セット・5本セットも頼めますよ♪
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そして『資さんうどん』ならではの一品がこちら、ぼた餅です!
北九州がかつて重工業で栄えていた時代、そこで働く人々は「食後に食べる甘いぼた餅」で鋭気を養っていたそうで、その北九州独特の文化を大切にしたいと提供し始めたことが、資さん流のうどん×ぼた餅のルーツなのだとか。
ずっしりとしながらも甘さ控えめなのでペロリといけるおいしさ♡ 食後にぜひどうぞ。
うどん愛が器からはみ出る!? 豊前裏打会の代表格『うどん家 久兵衛』
北九州には「津田屋流 豊前裏打会」(通称:豊前裏打会)といううどんの一派があるのをご存知でしょうか? 地元の麺好きの間では有名な存在で、北九州のほか福岡市や久留米市、宮崎県、鹿児島県など、40店近くの加盟店を持ちます。
豊前裏打会の店主たちの共通点は「うどん麺を愛してやまないこと」。そして、豊前裏打会の総本家である『津田屋官兵衛』の修業を経て独自の製法を受け継ぎ、熱意と技術を認められた人だけが豊前裏打会の称号を持てるのです。
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小倉北区にある『うどん家 久兵衛』の店主・林和久さんも豊前裏打会のメンバー。ここ久兵衛は、開店時から多くのお客さんが訪れる人気店です。
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「幼い頃から総本家の『津田屋官兵衛』が大好きだったんです。以前は百貨店に勤めていましたが一念発起でうどんの道を志し、津田屋官兵衛の店主・横山さんに弟子にしてくださいと申し入れ、通い詰めてうどん作りのイロハを学びました」。そう語る店主の林さん。はつらつとしたニコニコ笑顔が印象的!
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うどん麺は数種類の小麦をブレンドし、その日の気温や湿度を見ながら、2段階の熟成工程を挟み丁寧に仕込まれています。毎朝打ちたてを提供し、その細麺は讃岐うどんや博多うどんとは全く異なり、つややかな透明感とつるつるもちもちの食感!
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ななな、なんですかこのうどんは! 見た目のインパクトが強いこちらは『とろろごぼう天うどん』(660円)。
寿司店などで使われるすし巻き昆布をマントのようになびかせ、手裏剣のようなごぼう天をドンと突き刺したユニークなビジュアル。器から大胆にはみ出した具材に、ふねことみけやんも目がクギヅケ!
シート状のすし巻き昆布はスープにくぐらせるとおぼろ昆布のようにほろりと溶け、なめらかで上品な口どけと豊かな風味を楽しめます。
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揚げたてのごぼう天のサクサク感もヤミツキになりますよ。出汁スープは羅臼昆布や本ガツオの風味、地元の醤油メーカーから仕入れたつゆの旨味が効いて味わい豊か♪
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ぜひ試してもらいたのが特製辛子! 深みのある辛さから超激辛まで5種類の味変を楽しめます。
ちなみに、せつこはセットメニューに付くミニ天とじ丼がお気に入りの様子でした♪
北九州・小倉が発祥の焼うどん。その聖地『だるま堂』へGO!
今や全国でも親しまれている焼うどん。そのルーツは北九州・小倉にあると言われています。1945年頃の終戦直後の食糧難だった時代に、焼きそばの麺の代わりに干しうどん(乾麺)を使って作られたのが焼うどんの起源なのだとか!
そんな画期的なアイデアで焼うどんをこの世に生み出したのが、JR小倉駅から徒歩圏内の鳥町食道街にある『だるま堂』です!
初代店主のバトンを引き継ぎ、2代目が“焼うどん発祥店の味”を守り、長年北九州のソウルフードとして愛されていました。70年以上常連客や観光客に親しまれる繁盛店でしたが、2019年に先代の坂田チヨノさんが他界し、『だるま堂』はファンに惜しまれながら閉店したのです。
そんな中、北九州の食文化を築いた焼うどんの聖地『だるま堂』の灯火を絶やすまいと、「小倉焼うどん研究所」が立ち上がり、歴代店主の意思と味を引き継ぎ、名物の焼うどんを復活! ファン歓喜の店舗再開が実現したのです。
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華麗なコテ捌きで焼うどんが作り上げられる光景は、思わず息をのむほど臨場感があって食欲もかき立てられます!
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背脂をなじませた鉄板の上で、豚肉や野菜、乾麺をしっかり炒め、秘伝のだるま堂ソースをしっかり絡めて、アツアツの皿うどんが完成!
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その日の気温や鉄板のコンディションを見極め、麺のゆで加減や火の通り方やソースの絡み具合を細かく調整しながら伝説の焼うどんを再現しているそう。そんな渾身の一皿に「懐かしい味!」「やっぱりだるま堂の焼きうどんやね!」と、昔からの常連客が涙したり感極まる姿も…。
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メニューは、だるま堂味の「焼うどん」(550円)や目玉焼きを乗せた焼うどん「天窓」(650円)のほか、小倉焼うどん研究所が独自開発した生麺&こってりソースの「焼きうどん」と「天窓」も揃えています。
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お土産に喜ばれる焼うどんセットとソースも販売中♪
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テイクアウトで手軽に食べたい人には持ち帰りも可能です。ふねこたちは焼うどんのコッペパンサンドを船長さんにお土産に渡したみたい! きっと喜んでくれたでしょうね♪
福岡のうどん文化はいろんなジャンルがあり、店主のうどん愛と高い志によって育まれ、地元に深く根付いてるのだなぁとしみじみ感じました。お腹いっぱい胸いっぱい身も心も満たされたところで、これにてうどん巡りの旅は終了です!
またふねこたちが旅に出るときは、後ろからこっそり追いかけたいと思います♪
※当記事は3月14日時点の情報です